「パニック障がいのおはなし」を始めたきっかけ。

きっかけ

私がこの「パニック障がいのおはなし」というサイトを始める決意をしたのは、小林麻央さんの訃報でした。

私はずっと彼女のブログを見ていました。彼女はガンとひたすら向き合い、戦い、治ることを信じていました。私はガン患者ではないけれど、毎日私を勇気づけてくれたのが彼女のブログだったのです。

不思議な話なのですが、彼女が亡くなったことを知った日に、海老蔵さんの記者会見があったのですが、私は悲しさが溢れて見ることができませんでした。そのまま眠りについてしまったところ、彼女が夢に出てきたのです。黄色いワンピースを着てショートカットが似合うとてもかわいらしい姿で私に会いにきてくれたのです。

そこで、彼女が「病気を天国に持っていってあげるね」と私の胸に手を当て空に飛ばしてくれたのです。夢の中のその場には私の愛犬もいました。愛犬は『てんかん』を患っているのですが、彼女は私の愛犬にも同じようにしてくれたのです。

そんな不思議な夢を見ました。眠りから覚め、しばらくぼーっとしてしまった私。夢だったのに不思議な感覚に包まれていました。信じられない方もいるかもしれませんが、こんな私の夢に出てきてくれたのがどうしても偶然や幻とは思えなかったのです。

そして、ここで「何かを始めよう」と思っていた覚悟が決まったのです。誰か1人でもいいから私も誰かの力になりたいと。このサイトで私が体験してきた病気のすべてを書こうと決めました。 ただ、その覚悟は私の傲慢かもしれません。誰かのためにというのは、私の押しつけにもなってしまいます。だからこのサイトはまずは自分のために生きる証として綴ろうと思います。

それはなぜかというと、パニック障害の治療や病気について勉強していくうちに、自分のこのパニック障害という病気は私自身の身体からの何かのメッセージであることに気づいたのです。そして病気を治すことに一番必要なことは、病気からのメッセージをしっかりと受け止めていくことだとわかったのです。

今まで何度も病院を転院したり、数えきれない程の東洋医学の治療をしたり、精神科・心療内科から処方された色々な種類の薬を飲みました。それでも完治できなかったのは、私は自分としっかりと向き合えてなかったからです。

もちろん、当時の私はこれだけ治療しているのに…自分のためにがんばっているのに…と思っていたし、自分と嫌というほど向き合って、自問自答して何度も挫けそうになって「こんなにもがんばっても、もっとがんばらないと治らないの?」「なんで私だけ?」と普通の生活を送る人たちに妬んだり、何回も涙しました。

それでも私は諦めることなくここまできました。完治はしていません。まだ薬も服用しています。でも、これも私の人生です。誰の人生でもありません。

病院や薬に頼るのではなく、私自身の考え方が変わらなければならない。

そして、約10年かかってやっと今、「自分と向き合えることができた」のです。私自身が約10年かけてやっと私が行き着いた考えと、パニック障害との生活のすべてを書いていきたいと思っています。それが私のように苦しんでいる方たちの参考にほんの少しでもなれば幸いです。

約10年という時間は、長い人生にしたら短いかもしれませんが、私には長い長い道のりです。これまで、家族、夫、友人にたくさん支えてもらってきました。感謝の気持ちでいっぱいです。そして何より、ずっとがんばっている自分にも感謝しています。