「オハマのおはなし」第10話は、しばらく通院していなかった心療内科を「病院を変えてもう一度行ってみよう」と決心した理由のお話です。
しかし体調はよくならず、知人から紹介してもらった心療内科へ通うことを決心しました。
新しい心療内科
2月にパニック障害と初めて診断を受けてから転院先の心療内科へ受診するまでに約半年間かかりました。
心療内科へ受診するということは私にとっては大きな決断でしたが、とにかく今の状態から脱却できるのなら!と藁にもすがる思いで予約の電話をしました。なぜ、ここの病院に決めたかというと、「1人で通院できる病院」が第一条件でした。
家族はみんな働いていたので誰かに付き添ってもらうという選択肢はありませんでした。私は電車に乗ることができなかったので、電車に乗らずにバスで通院できる心療内科を知人から教えてもらいました。もし道中で体調が悪くなれば、バスから降りてタクシーで3000円以内で行くこともできたし、がんばれば1時間かけて自転車で行くこともできる距離でした。
どんな状況になっても、いろんな手段を使って通院できることは私にとっては大事なポイントでした。
もう1つのポイントは、この病院は産婦人科の中にある心療内科で、女医さんなので話やすいかな?と思い、ここに決めました。人気の病院のようで、電話予約をしたら初診治療できるまでに約3週間ほどかかりました。転院先の心療内科の受診は「平成21年の8月」です。そこから約3年通院することになります。
ここの病院は女性のみ受診できる病院です。待合室で一緒になる方は、私のような20代の女性から60代くらいの女性もいらっしゃいました。それだけ年齢に関係なくそれぞれ抱えているものがあるのだと思いました。人気の病院だったのかもしれませんが、それだけ心の病を抱えている患者さんが多いもわかりました。
泣きながらの診察
初診も1人で行きました。
やはり緊張しました。待合室で待っていると番号で呼ばれて、個室で先生と2人きりで経緯をお話しました。看護士さんはいなかったです。
担当医の先生は40代くらいのサバサバした女性の先生。人見知りをしない私はすらすらと先生に経緯や身体の辛さを伝えることができました。でも、病状を話していたら泣いてしまいました。
先生にとってはたくさんの患者さんを診ている訳ですから、慣れた手つきでティッシュをくださいました。人前で泣くことが抵抗ある方でも、そこにいるのは先生だけですから大泣きしても大丈夫です。
「泣ける」という状態も、「客観的に自分を話す」ことも必要なことだと今振り返ると大事なんだと思います。
私は、家族の前では何故か…つらくて苦しいと弱音を吐けず、「自分の病状はこんなにつらいんだ!」なんてことを話したことはありませんでした。だからはじめて人の前で辛いと泣けました。
病状を話したところ、私の中では普通だと思っていたのですが、「睡眠障害」があることが先生と話してわかりました。私の場合は、夜中に何回も起きてしまうのです。あとは部屋の電気とテレビをつけていないと寝れませんでした。
でも、自分の中では働いているときからずっとその状態だったので、それが「普通」になっていました。そのことが「おかしいこと」とは全然気づいていなかったのです。
先生に「睡眠をきちんととりましょう!」と言われて、はじめて「あっ。睡眠に問題があったんだ…」と気づいた訳です。
パニック障害については怖くて自分では調べることが出来ません
先生は淡々と話しを聞いてくださり、パニック障害についての説明もありました。約30分くらいだったでしょうか。
その時に印象的だったのが、「パニック障害については自分でも調べてるからわかりますよね?」といった内容を言われたことです。
なぜか私はその時に嘘をつきました。「あっ知らないといけないんだ。でも私は怖いから全く調べていない…」当時の私は調べていないことを怒られると思って「はい、調べました。」と、とっさに嘘をつきました。
先生に怒られると思ったんですよね。
「どうして、自分の病気について調べないの?」と…。調べてなくても怒られることはないはずです。「怖くて調べてません…」と素直にお伝えしてもよかったはずなのに。もし怒る先生がいたら、セカンドオピニオンも考えてみてもよいと私は思います。主治医との相性ってとっても大事です。
診察の最後に、パニック障害についての冊子を頂きました。その冊子は本人というよりかは、家族向けに作られた冊子でパニック発作の患者との付き合い方なども書かれていました。これも怖くて詳しくは読めませんでした。
どんだけ怖いんだよ!っとツッコミを入れたくなりますよね。でも、自分にまだ起こっていない病状が書いてあったらそれがこれから起きるんだ。と思い込んでしまうのも怖かったのです。それくらい今の現状を受け入れるのが怖かったのだと思います。
この日から私の長いお薬人生がはじまります。