転院先の病院と自立支援制度と結婚式

パニック障害の私が結婚式

「オハマのおはなし」第23話は

前回のあらすじ
田舎暮らしを辞め、東京に戻り夫の職場でアルバイト。新しい職場に新しい家、そして新しい病院と今までにない新しい生活が始まりました。結婚式も決まりコツコツと準備も始めました。
新しい職場と新しい生活と転院

パニック障害で転院した先の病院の様子

転院先のクリニック

当時の私は年齢的にも30歳に近づいていたので、断薬も妊活もしたいし藁にもすがる思いでした。でも、たった10分の診察で何が変わるのでもなく、ただ月日だけが流れていきました。

3つのバイトを交互に働く日々。結婚式の準備も忙しくなってきて、毎日とても充実していました。

転院先の病院は、夫がインターネットで見つけてくれました。やはり、病院を探すとなるとインターネットがメインになります。見つけた病院には電話で予約を入れました。転院先の病院は、40代半ばくらいの男性の先生でした。都心部あるクリニック。もちろん、クリニックの名前も「○○駅前メンタルクリニック」よく駅の広告などで目にする名前のクリニックです。

このクリニックで初めて夫も診察室に同席することになりました。

院内の様子は、ジャズが流れて待合室には大きなソファがあり、患者さんは男性の方も多かったのが印象的です。今度の先生は物静かな先生。紹介状を提出し、私から今までの経緯を先生お話して、夫も初めて先生から私の病状についての話をしてもらいました。

ただ、何を話していいかわからなくなるのが嫌だったので、先生にお伝えすることを時系列をメモに書いて持っていきました。時系列に沿って今までの体調や薬のお話をしました。私は、新しい病院に行く際には、漏れがないようにメモに書いて持っていくことにしています。

オハマ
新しい病院で緊張してしまったり、言いたいことが言えずに終わってしまうことがないようにするのにオススメです!

身体的な検査は何もなかったです。基本的にはお話のみで、血圧や体温も測ることはしなかったです。初診は30分くらいだったと思います。お薬は今まで通り、変更なくしばらく続くことになりました。

自立支援医療制度の申請

この頃はじめて「自立支援医療制度」というものを知りました。今までの医療費は3割負担。月に1度通院し、薬の処方も1ヶ月分あったので毎月なかなかの出費でした。この制度を使用することで1割負担になるので、金銭的にはとても助かりました。

毎回、指定されたクリニックと調剤薬局に受給者証を掲示しました。

自立支援医療制度とは

自立支援医療とは、心身の障害に対する医療費の自己負担を軽減する公的な制度で、都道府県や指定都市が実施主体として運用されています。

精神疾患の治療は長期におよぶことも少なくなく、その間にかかる医療費は経済的にも精神的にも不安材料になりがちです。自立支援医療(精神通院医療)はそういった負担を軽くし、少しでも治療に専念できるようにしてくれます。

引用:自立支援医療(精神通院医療)ってどんな制度?

ついに結婚式!パニック障害の私でも乗り切れるの?

パニック障害の私が結婚式

そして、新しいクリニックに通院し始めてから大きなイベント。それは私たち夫婦の結婚式。

オハマ
幸せの中にも「結婚式中に発作が起きてしまったらどうしよう。」という不安はありました。私が途中で倒れてしまったら…とか色々と考えていました。

結婚式では、少しでもリラックスした状態で挑みたかったので、ドレスで身体を締め付けられてくなかったので、ドレスのタイプはエンパイアタイプにして、さらに妊娠していないのにマタニティータイプにしてお腹まわりは苦しくならないようにしました。

コルセットのような下着も締め付けられて苦しくなるのが嫌だったので、着用しませんでした。

お陰様で結婚式中はドレスで苦しいと思うことは一度もなかったし、ドレスがかわいいと友人たちからも好評で、誰一人とマタニティ用のドレスとは気づかれませんでした!

靴はヒールで足が疲れないように、ヒールなしのフラットタイプにしました。ドレスは長いし、足元を見る人はいないので、フラットタイプの靴でも全く問題なかったです。

ストッキングもお腹が苦しくなるのを避けるために、膝丈のストッキングにしました。

お酒問題については、みんな私が飲めないのはわかっていたので、強制的に飲まされることもなかったし、乾杯のときのシャンパンは口をつけただけで問題なかったです。

食べ物に関しては、よく結婚式中は何も食べられないって聞いていたので、朝ごはんはしっかり食べて、お色直しの際にサンドイッチを食べることができました。披露宴中はやはり、口くらいしか食べられませんでした。二次会に行くまでにお腹が空いていたので、おにぎりとウィダーインゼリーを買ってきてもらってチャージして完璧でした!おなかが空き過ぎると誰でも体調が悪くなりますから、食べれるタイミングで少しでも食べることをおすすめします。

もし、途中で緊張感から発作出ることも想定してウェディングプランナーの方に事情をお話して、頓服の薬を持っていただきました。自分で薬を持つことはさすがにできなかったので、ずっと隣にいるプランナーさんが持っていてくれたのはとても心強かったです。

ここまで対策する必要あるのか?と思う方もいると思います。でも、この病気になったことがある方はわかると思うですが、いつ何が起こるかわからないのです。だから常に対策を考えていないと落ち着かないし、無事に過ごすことができれば、よかった!と思って、その対策の苦労なんて苦とは思いません。とにかく安全重視なんです。

こんな対策をすべて行ったことで、人生最大に幸せな時間を過ごすことができました。結果、体調が悪くなることもなく、あっという間に時間が過ぎ去っていきました。次の日はさすがに疲れが溜まってしまいましたが、仕事もお休みを事前にもらっていたので大丈夫でした。

こうして私はとても幸せな結婚式を朝から晩まで楽しむことができ、今でもあの時のことを思い出して、幸せだったなぁと思い出します。